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2020年12月17日木曜日

超マイナー同人デザイナーに俺はなる!

(この記事はボードゲーマーのHA(Harpoon Arrow)氏が呼びかけた「War-Gamers Advent Calendar 2020」の12月17日分として執筆したものです) 

私は、現在個人事業主でありますが、主たる事業は「ライター」でして、ボードウォーゲームの活動は(心意気は別として)「個人の趣味」という位置づけです。なので、ボードウォーゲーム関連の活動では生きるために必要な利益を創出する必要はなく、そのおかげで、自分の興味の赴くままにボードウォーゲームの題材を選ぶことができます。


そういえば、数年前に業界の中の人とお話ししたときに、企業が新規に空母戦をデザインして製品を投入するのは(当時の)ボードウォーゲーム市場の状況において非常に難しい、と聞かされたことがありました(日本機動部隊は例外中の例外)。企業が必要とする利益を確保できるだけの出荷数=空母戦ユーザー数がボードウォーゲーム市場に存在しない、というのが理由でした。


しかし、個人が趣味として制作するならば、必要とする利益を確保できる(もしくは損失を許容範囲にとどめる)出荷数は少なくて済みます(※具体的に数値については秘密情報であるので明らかにしませんが、企業と個人では少なくとも「桁1つ2つ」以上は異なります)。企業では取り上げるのが難しいニッチな題材(たとえ空母戦であってもニッチ!)であっても製品として世に出すことができる。これが自主製作の強みの1つであります。


自主制作には他にも強みがあります。それは、企業では扱いが難しいデリケートな事案でも、自主制作なら題材にできることです。ここでいう「扱いが難しいデリケートな事案」とは、社会的な評価が定まっておらず、社会的多数、もしくは少数であっても強硬な特定勢力から強い非難を受ける恐れのあるものが当てはまります。


ジブセイルゲームズでも取り上げた「全共闘」「新左翼」「日共民青」も典型的なデリケート事案です。これらの組織が関わる「東大紛争」「東大安田講堂事件」「神田解放区闘争」を題材としたボードウォーゲームを企業が制作するのは大変リスキーでありますが、自主制作ならニッチ(=目立たない)なこともあって世に出すことができます。個人的には、このことが同人というかインディーズというか個人の自主制作というか、とにかく“その類の作り手”最大の強みじゃないかと考えています。


なお、超メジャー大型書店にもかかわらずデリケートな「東大紛争 1968-1969」と「東大安田講堂強襲」を取り扱ってくれた「書泉グランデ」さんですが、さすがに「Operations Research for COVID-19」は、「会議の結果、取扱不可」となりましたとさ。(おわり)


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