(この記事はボードゲーマーのHA(Harpoon Arrow)氏が呼びかけた「War-Gamers Advent Calendar 2020」の12月7日分として執筆したものです)
ウォーゲームをプレイしているとき、脳内に音楽が流れる人は結構いるのではないでしょうか。ちょっと定かでなないのですが、会場で延々とマーチを流しているウォーゲーム会があったような記憶もあります。
といいつつ、自分の場合は、プレイ中は頭がいっぱいいっぱいで、脳内に音楽を流す余裕がありません(それであの手ですか、というご意見多数)。その代わりといってはなんですが、デザイン中に音楽が脳内を流れ続けます。面白いことに、というか、やっぱりというか、デザインしているタイトルごとに流れる曲が異なります。なんなら、特定のタイトルでは決まった曲しか流れません。
「遠すぎた東大-神田解放区闘争-」は、タイトル通りに映画「遠すぎた橋」のテーマが流れます。そもそも「神田解放区闘争とマーケットガーデン作戦って似ているー!」がデザインの出発点だったので、これはもう当然のことで、東大本郷キャンパスと神田地区に立てこもる全共闘&新左翼にアルンヘムの第1空挺旅団第2大隊の映像を重ね、本郷通りを進む明治大&中央大の学生に国道69号を北上する英30軍団の姿をイメージすると、それはそれはデザインがはかどるのでありました。
「格闘級!航空母艦の戦い」のデザインでは、これもベタなんですが映画「ミッドウェイ」(ただし1976年作品)のテーマが流れました。こちら「MIDWAY MARCH」と「MEM OF THE YORKTOWN MARCH」の2つがテーマ曲として存在していますが、私の脳内で再生されるのは、メジャーなMIDWAY MARCHです。ジョン・ウイリアムズの曲としては、“淡々”としていますが、それがかえって「古き良き時代の戦争映画」を醸し出してくれます。
「海運級 太平洋戦争」で流れていたのは、映画「トラ、トラ、トラ」のテーマです。私の中ではベストオブ「日本海軍がでてくる映画のテーマ曲」でして、日本古来の「序、急、破」形式で盛り上がっていく楽曲もさることながら、(大きな声じゃ言えないのですが、)動画共有サイトにある映画の冒頭シーンは、日本海軍の勇壮さと(欧米人から見た)不気味さを最も強烈に表現した映像ではないかと個人的に思うのであります。
「東大安田講堂強襲」のデザインでは、音楽というよりは当時のニュース映像を流していることが多かったです。東大安田講堂事件の映像は、後に制作されたドラマや映画も含めて数多くの動画が共有サイトで比較的容易に閲覧できます。ただ、映像は明瞭で分かりやすいものの演出と演技が入ってしまうドラマや映画よりは、画質が荒いものの当時の雰囲気がむき出しで流れてくる当時のニュース画像の緊迫感は、デザインのモチベーションをすこぶる高めてくれました。
現在進行形の「Operations Reserch for COVID-19」のデザイン作業では、現在進行形の事案ということもあって、これまでのような象徴的な音楽というのが存在しなかったのですが、なぜか「22/7」(ナナブンノニジュウニ)というアイドルグループの曲を流し続けていました。このアイドルグループ、2020年初頭に予定していたファーストツアーがCOVID-19の感染拡大でキャンセルになったり、メンバーが離脱したり休業したりと苦難続きの1年間だったのですが、そんな逆境をはねのけて今まさにブレイクしつつある(いやもうブレイクしているか)実力派だったりします。
その歌詞は甚だ“激烈”で、この9月にリリースした「風は吹いているか?」なんか「おおっと、これもしかして、香港だったら発禁&捕まってんじゃね」ぐらいの内容です。たぶん、次の学園紛争モノは、22/7の曲を流しながらデザインするでしょう。
というわけで、2020年のウォーゲーム関連の話題で私が一番伝えたいのは、かわいいかわいいアイドルグループながら学園紛争モノにばっちりはまってしまう楽曲を踊って歌ってしまう「22/7」がすごい、ということで(それ企画違う)。
0 件のコメント:
コメントを投稿